法人が不動産売却するとかかる税金とは?計算や節税のポイントを解説!
この記事のハイライト
- 法人の不動産売却によって得られた利益には、法人税などが課税される
- 不動産売却で発生する税金は、益金(不動産売却による収入など)から損金(人件費など)を差し引いた課税所得などにより決まる
- 設備投資や利益の分散などを活用すれば、不動産売却で発生する税金を節税できる
不動産売却にともない発生する税金は、法人と個人で異なります。
そのため、法人が不動産を取引する際は、個人としての売却にはない注意点に気を付けなければなりません。
今回は、法人が不動産売却するときにかかる税金や節税方法について解説します。
東京都荒川区で不動産売却をご希望の方は、ぜひチェックしてみてください。
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不動産売却で法人と個人にかかる税金の違い
不動産売却によって得られた利益にかかる税金は、それぞれ以下のようになっています。
個人の場合
個人に対しては、譲渡所得税(所得税、住民税、復興特別所得税)が課せられます。
これらは分離課税の対象なので、給与所得や事業所得などの総合課税される所得とは分けて計算されます。
そして条件を満たしていれば、譲渡所得に対しては特別控除や軽減税率などの特例を利用することも可能です。
法人の場合
法人に対しては、法人税、法人住民税、法人事業税、地方法人税が課せられます。
法人の場合、個人とは異なり所得の種類に関係なくすべての売上を合算して計算します。
そのため、不動産売却による利益の有無が企業利益にも影響を与える点に注意してください。
建物の売却には消費税が課せられる
法人の不動産売却では、建物部分には消費税が課せられます。
そして土地には消費税が課せられないので、不動産売却にあたっては建物と土地の按分割合を決めなければなりません。
売主と買主の合意があれば自由な割合を設定できますが、どちらか一方に有利な割合にしてしまうと、さまざまな不都合が生じます。
たとえば税務署から指摘を受けるなど、買主の減価償却の計算に影響を与えてしまいます。
そこで実際には、以下の方法で決めるのが一般的です。
- 固定資産税評価額で按分する
- 物件を取得したときの按分割合や消費税額から算出する
- 不動産鑑定士による鑑定額によって按分する
多くの場合、客観的な評価である固定資産税評価額で按分します。
あるいは、物件を取得したときの按分割合や、消費税額から算出することもあるでしょう。
不動産鑑定士による鑑定額も客観的な数値ですが、鑑定には費用がかかるので注意してください。
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法人の不動産売却で発生する税金の計算方法
法人の不動産売却では、次の4種類の税金が発生します。
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 地方法人税
それぞれの計算方法について、確認していきましょう。
法人税
法人税は、法人が事業活動によって得た所得に対して課せられます。
法人税の計算方法は次のとおりです。
課税所得×税率
課税所得は、益金から損金を差し引いたものです。
益金や損金には、おもに次のものが含まれます。
- 益金:商品やサービスを販売して得た売上による収入、不動産売却によって得た収入など
- 損金:人件費、原材料費、災害による損失など
法人税の税率は、資本金の額によって次のように定められています。
- 資本金1億円以下の法人:15%(年800万円以下の部分)、23.20%(年800万円超の部分)
- 上記以外の普通法人:23.20%
土地売却における重課税
法人が土地を売却すると、通常の法人税のほかに特別税率による追加課税(法人の土地譲渡益重課税制度)の対象となります。
適用される税率は、所有期間に応じてそれぞれ以下のとおりです。
- 所有期間5年超の長期譲渡所得:5%
- 所有期間5年以下の短期譲渡所得:10%
なおこの制度は、1998年1月1日から2023年3月31日までの譲渡については適用停止とされています。
法人住民税
法人事業税は、法人のおこなう事業に対して課せられます。
法人事業税の計算方法は、次のとおりです。
課税所得×法人事業税率
東京都における税率は、以下のとおりです。
- 年400万円以下の所得:3.5%(標準税率)、3.75%(超過税率)
- 年400万円超800万円以下の所得:5.3%(標準税率)、5.665%(超過税率)
- 年800万円超の所得:7.0%(標準税率)、7.48%(超過税率)
資本金もしくは出資額が1億円を超えている場合や、年間所得額が2,500万円超もしくは年収入金額が2億円超の場合には、超課税率の対象です。
地方法人税
地方法人税は、法人が事業活動によって得た所得に対して課せられます。
地方法人税の計算方法は、次のとおりです。
課税所得(法人税額)×税率(一律10.3%)
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法人が不動産売却するときの節税方法とは?
個人が不動産売却したときは、居住用財産の3,000万円の特別控除などの節税方法があります。
しかし法人の場合、個人と同じ方法では節税できません。
法人の場合には、次の節税方法が挙げられます。
投資により利益計上を減らす
法人税制においては、一定の投資額に対して一定割合を乗じた金額を控除できる制度(中小企業投資促進税制)があります。
たとえば、人材や機械設備への投資などが控除の対象です。
機械装置で1台160万円以上、デジタル複合機(インターネット接続のもの)で1台120万円以上、ソフトウエアで70万円以上のものが対象です。
このほか、特定経営力向上設備等に該当する場合は建物付属設備や器具備品なども含まれます。
利益を分散させて税率を下げる
法人の場合、すべての利益から損金を差し引くことが可能です。
不動産売却により大きな利益が出たときは、その利益をほかの所得に分散させる節税方法が有効です。
たとえば役員が退職するタイミングに合わせて不動産売却すれば、税金を大きく抑えられるでしょう。
特別控除を利用する
公共的な利用を目的として、国や地方公共団体が土地の権利を収用することがあります。
収用にともなう損失に対しては、最大で5,000万円までの特別控除を受けられます。
所有する土地が収用となったときに限られますが、大きな節税効果を期待できるでしょう。
新規物件を購入する
新規で不動産を購入すれば、その物件の減価償却費を計上して利益を少なくすることが可能です。
不動産会社では、不動産売却はもちろんのこと購入の仲介もおこなっています。
たとえば、事務所移転にともなう不動産売買を同じ不動産会社に依頼すれば、売却と購入のタイミングを合わせやすいなどのメリットがあります。
このほか、事業拡大のために物件を取得する必要があるときに、不要な不動産を売却するタイミングと合わせるなどの対策もおすすめです。
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まとめ
法人が不動産売却するときに知ってきたい、税金の計算方法や節税方法について解説しました。
個人が不動産売却するときとは、税金の種類や計算方法が異なります。
そこで税金を少しでも抑えるために、信頼できる不動産会社に相談するのがポイントです。
株式会社スイートホームでは、東京都荒川区で価格査定の依頼を承っております。
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